『LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.』スナップ写真レンズレビュー
今回ご紹介するレンズは、パナソニックのマイクロフォーサーズレンズ「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH」です。
35mm換算で30mm相当という非常に使い勝手の良い画角に加え、開放F1.7という明るさを持っているため、ボケ味のある写真はもちろん、室内など暗がりでの撮影にも重宝します。
また、ライカの厳しい性能評価基準を見事通過したレンズという事もあり、その描画力はライカお墨付き。(レンズにもLEICAの文字がしっかりと入っています。)
それに加え、マイクロフォーサーズの中でも、持ち運び易いサイズですので、帰り道に出会った美しい景色や、日常の何気ない瞬間をスナップ写真として収めるには最適なレンズです。
スペック
型番 | LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH |
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製造元 | パナソニック |
レンズ構成 マウント 絞り形式 | 7群9枚(非球面3枚) マイクロフォーサーズマウント/金属マウント 7枚羽根・円形虹彩絞り |
開放絞り 最小絞り | F1.7 F16 |
最短撮影距離 | 20cm |
フィルター径 最大径×長さ | 46mm 57.5×約36mm |
重量 | 115g |
外装・付属品・操作性など
付属品
レンズキャップに加え、レンズフードキャップも付属しているので、フードをつけたまま持ち運びする事もできます。
写真では分かりませんが、レンズ保護フィルター、収納するためのレンズ袋も別途付属しています。
サイズ
一般的なフルサイズ標準レンズという意味合いでCanon EF24-70mm F2.8 USMを比較しました。
外装
アルミ削り出しという特殊な加工が施された金属外装で、オールドレンズの様な趣と高級感があります。
レンズフード
絞りリング
レンズ本体にオールドレンズを感じさせる絞りリングが付いており、操作も感覚的で気持ちが良い。
絞りリングの設定をAにすれば、絞りリングのないレンズ同様、ボディ側で絞りを調整する事もできます。
現行のマイクロフォーサーズレンズ群の中でも非常に珍しく、使い心地の良い絞りリングですが、パナソニック製品ということもあり、パナソニックのマイクロフォーサーズボディでしか使用することができません。
オリンパスのマイクロフォーサーズボディでは互換性がないため使用することができず、絞りリングは飾りになってしまいます。
オリンパスのボディでご使用される場合は、ボディ側で絞り値を調節する必要があります。(2017/4/6現在 パナソニック確認済み)
AF/MF切替スイッチ
AFはマイクロフォーサーズレンズの中でも非常に速く正確であるため、ピント合わせに自信のない方でも安心してご利用いただけます。
また、AF/MF切替スイッチがレンズ側に備えられているため、状況に応じて、感覚的に素早くAF/MF切り替えをすることができます。
レンズにはナノサーフェスコーティングという特殊コーティングがされており、ゴーストやフレアを大幅低減しているため、逆光などのシーンでも強い味方になります。
一点、注意があります。レンズの構造上、後玉(マウントがある側のレンズ)の非球面レンズが前面に設計され、傷つくのを防ぐレンズガード構造が備わっていないため、後玉に傷がつきやすいです。
スナップ用の設計で、持ち運びやすさとデザインを重視した代償かもしれませんが、後玉に傷が入るとこのレンズの最大の魅力であるナノサーフェスコーティングも剥がれてしまい、せっかくの描写が台無しになってしまいますので注意が必要です。
どのレンズにも言えることですが、テーブルなどに置く際は必ず、後玉を上にしてなるべく後玉に傷が入らないような配慮が必要です。
※こちらの2写真は、後玉に若干の傷のある同レンズを知人からお借りした上、症状の確認をしております。
弊社のレンズでは、これらの不具合がないよう、入念なチェックの上、お客様にお貸出ししておりますので、ご安心ください。
作例(解説付き)
レモンとマネキンのシャツの表面を見ても分かる通り、ピント面のリアルな質感と程良い色のり、抜け感がその場の空気や温度までを演出しています。
開放値のナチュラルに溶けていくようなボケ感。
NDフィルター無しでもシャッタースピードを上げればこのような日中の逆光条件でも開放値で撮ることができます。
モノクロにすると、よりピント面の質感を浮き立たせます。石畳や木目の質感もくっきり出ています。
広角撮影では少し絞り込むだけでピントを気にしなくても良い程となり、絞った文レンズのスイートスポット(レンズの描画性能が良いとされる、レンズ中心部)を使用しての撮影となりますので、その描写もより細やかなものとなります。
また、ピント合わせに時間を取られないということは瞬間的な表現や空気感が大切なスナップ写真において重要な要素の一つですので、個人的には少し絞った状態(F2.8〜F5.6くらい)で鞄に忍ばせておくのが良いと感じました。
ゴーストやフレアの気になる強い逆光条件でも、クリアな描画を可能にしているのは前述したナノサーフェスコーティングによるものでしょう。
開放F1.7ですので暗がりでの撮影にも有利ですが、高感度ボディやボディ内手振れ補正のあるカメラと組み合わせれば、シャッタースピードを下げることもでき、暗がりでもよりクリアな撮影を行うことができます。
今回使用したボディ内手振れ補正機能のないGH4での手持ち撮影において、1/13というシャッタースピードは厳しい状況ではありましたが、スナップ写真での多少のブレはご愛嬌。
最短撮影距離が20cmという特徴を活かせば、広角レンズとはいえ、被写体ギリギリまでよった撮影をすることも可能です。
マクロレンズの様に近接撮影をすれば、F1.7の開放値と合わさり、より強いボケ感を出すこともできます。
最後に
とにかく持ち運びやすく、オールドレンズの様な操作性と趣がある本レンズ。ぜひ一度、お試し頂いてはいかがでしょうか?
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