レンズ交換式カメラとスマホのカメラ5番勝負
皆さん、下の2枚の写真はどちらがiPhoneで撮った写真かわかりますか?
答えは右。
この写真を見ただけだと、あまり違いがわからなかったと思います。ですが、今回は撮った写真だけではわからない、カメラの利点や、その仕組みの違いについて説明したいと思います。
スマホと一眼カメラとの違い
最近は写真を一眼レフカメラやミラーレスカメラを使わずに、スマートフォン(以下スマホ)のカメラだけで十分という方も増えていますね。最新スマホに搭載されているカメラの性能は年々進化しており、簡単に高品質な写真を撮ることができます。
ですが、スマホのカメラとレンズ交換式のカメラを比べてみると、見えない中身の部分はもっと違います。
わかりやすく違いを5番勝負として見ていきましょう。
1.センサーサイズ
センサーサイズとは、レンズから入ってきた光を電子情報に変換する部分になります。
わかりやすく言うとフィルムカメラのフィルム部分と考えてください。
センサーサイズが大きいと光の当たる面積が多くなり、暗いところでも明るく、深みのあるボケ感も出すことができます。
一眼カメラ
レンズ交換式のカメラは、小さくてもマイクロフォーサーズ(17.3x13mm)というサイズから、APS-C(23.6mmx15.8mm)、フルサイズ(36x24mm)、さらに大きな中盤センサー(43.8mmx32.9mm)というのもあります。センサーサイズによる恩恵は大きいのです。
スマホ
スマホに入っているセンサーサイズは、大体1インチ(13.2×8.8mm)未満だと言われてます。フルサイズに比べてと約2.7分の1の大きさなので、ボケや暗いところでは弱いです。
ただ、最新のスマホは性能が向上して、真っ暗な夜中でも光を増幅させて明るい写真を撮ることができるようになりました(星空が撮れる機種も存在します)。
さらに、小さなサイズとはいえ3000万〜5000万画素あるスマホも登場してきており、4K・8K撮影も可能になりました。
一眼カメラに比べ、深みのあるボケ感や透明感のある写真が撮れるかというと、まだ大きな壁はあると思いますが、センサーサイズによる弊害はそこまで高くはないのかもしれません。
2.レンズの種類
写真を撮るのに重要な物の一つにレンズがあります。
レンズの種類とは自分が撮りたいものや雰囲気を作る中で表現の幅の広さにもつながります。例えば特殊なレンズを使ったりするとそのレンズでしか出せない味もあります。
一眼カメラ
超広角〜超望遠まで種類は様々。用途によって使われるレンズは変わりますが、より近づいて撮影できるマクロレンズや、丸い球体のような写真が撮れる魚眼レンズなど、一風変わった作風が撮れるレンズも存在します。スマホでもアプリで似たように加工はできますが、実際にレンズを使った方が加工感がなくなります。
ただし、レンズは大変高価なもの。何本も自分で揃えるのは大変です。(高額なレンズだと1本100万円以上するものもあります)
あまり使わないレンズや試しに使いたいレンズは、レンタルを利用するのも選択肢のひとつです。
スマホ
最近のスマホは2つ、3つのレンズを搭載しており、広角〜望遠までカバーできます。日常生活で写真を撮るのであればこの画角でも十分に使え、レンズの倍率を変えることで表現の幅も広がります。
近年ではマクロレンズや、光学10倍ズームもできるペリスコープレンズが搭載されたスマホも登場してきました。重たくてレンズ交換が面倒な一眼カメラに比べたら、スマホ一台あればどんな画角にも対応できるので、怖いものなし……かもしれません。
3.操作性
写真や動画を撮る時に操作性も大切です。
操作性が良くないと撮影中に設定を変える時にスムーズにできなかったりします。
ここの違いは大きくなります。
一眼カメラ
一眼カメラにはP・S・A・Mとモードがあり、このモードはダイヤル式やボタンを押してからダイヤルで変える方式などメーカーや機種によってさまざまです。
モードの違いは、「P=プログラムオート S=シャッタースピード優先 A=絞り優先 M=マニュアル」ほとんどがこの4つに分かれます。
Pは全てカメラが設定してくれます。SやAは00優先の00の設定を自分が行いそれに合わせて、カメラが他の設定を変更してくれます。Mは全ての設定を自分で変更することが可能です。また本体に設定用のボタンが複数ついているので、設定の変更をする時にスムーズに変えることができます。
シャッターボタンや録画ボタンが物理的に付いているのも、アクセス性がいいと思います。
スマホ
スマホの操作性の特徴は画面をタッチやスライドして、指ひとつで変えられるのが便利です。その反面、細かい設定をしたくてにちょっと動かした際に指をスライドさせすぎたり、違うところが反応をしてしまうことがあります。
またカメラのように細かい設定という点については、元からできる機種や有料のアプリを使うことで細かい設定が可能です。
4.携帯性
カメラを旅行や遠出の撮影で使いたい時に気になるのがここだと思います。
重たかったり、本体が大きいと荷物になってしまって使うのが面倒になってしまします。
一眼カメラ
スマホに比べるととても重たくて大きいです。
最近はフルサイズの一眼カメラでもミラーレスになったため軽くはなりましたが、カメラ本体とは別にレンズの重量や大きさもプラスされます。複数のレンズを持ち歩くのも大変です。さらにレンズを交換するときにもセンサー内にゴミが入ったり、落として壊す可能性すらあります。
初心者の方は最初に軽いズームレンズを使うのがおすすめです。広角から望遠までまかなえるズームレンズがあれば、複数のレンズを持つ必要もなく、荷物も減ります。
スマホ
ポケットにしまえる大きさと軽さなので、どこへでも持ち運べるのが特徴です。
防水機能が付いているスマホなら雨の日も使え、場所を選ばずに撮影が可能です。
欠点としてはコンパクトなので失くしやすい点です。
5.発信力
旅行へ行ったときや、面白い場所や物を見つけたときに写真を撮ってSNSやメッセージアプリで友達や家族に送ることもあるでしょう。写真や動画は個人で撮りためるのではなく、共有や発信をしてみんなで楽しむ時代となってきました。
一眼カメラ
一眼カメラは基本的に直接SNSへ写真を送ることができません。一度スマホに転送する必要があります。
ただカメラに対応したアプリを入れておくことで、Wi-FiやBluetoothを使って自動でスマホに転送する機能があったりするので、パソコン無しでもSNSにシェアすることができます。
スマホ
やはりスマホの強みは、写真を撮ってからすぐにシェアできることです。
撮影をして加工編集や動画編集をこの1台で全てできるのはすごい事だと思います。
まとめ図
おすすめのレンズ交換式カメラ
やっぱり一眼カメラは、重たくて大きいと思っていると思いますが、軽くて小さいサイズのカメラもありますよ。筆者のおすすめ5機種を紹介します。
SONY α7 III
写真だけではなく、動画のクオリティも上げたい人にオススメなのがこのカメラです。
SONYはハンディカメラも作っている為、写真と動画両方を余すことなく楽しむことができます。このカメラがフルサイズミラーレスの定番となってます。
Canon EOS RP
キャノンのミラーレスカメラの入門機ですが、フルサイズのセンサーが入っているのにとても軽いのが特長です。最近ラインナップが豊富になってきましたRFマウントレンズはもちろん、マウントアダプターを使えば一眼レフ用のEFマウントも使えるのでもし今Canonのカメラを使っているのであればこちらもぜひ試してもらいたいです。
Nikon Z50
初心者の方でも使いやすく、センサーサイズがAPS-Cサイズなのでコンパクトで扱いやすいです。セットでDX16-50㎜(35㎜換算で24-75㎜)のレンズも付いてくるので、スナップや旅行にもすぐに使えます。もちろんこのカメラもマウントアダプターを使えばFマウントのレンズも使用可能です。
OLYMPUS PL10
センサーサイズがマイクロフォーサーズなので、本体が上記3種類よりもさらにコンパクトで軽いです。またカメラに内蔵しているフィルターが豊富なのが特徴です。
このカメラなら1日首や肩から下げても気にならないですし、撮影をする段階でフィルターをかけるので撮りたいイメージ通りに撮れると思います。
こっちも負けてない!おすすめのコンパクトカメラ
100M7
高級コンパクトカメラと言ったらこれです。
手のひらサイズのボディなのに、センサーサイズはスマホよりも大きい1インチが入っています。またズーム機能や電子ファインダーが付いているので、コンパクトな見た目やズームはスマホのようであり、電子ファインダーや細かいダイヤル設定はカメラのよう。そうこれはスマホとカメラの良いとこどりのカメラなのです。
GRⅢ
カメラを起動してからシャッターを切るまではこの中で一番早いです。
レンズはズームができませんが、35mm換算で28mmF2.8とスナップ写真では王道のレンズが付いているのです。ズームレンズと比べると自分が動かないといけません。ですが写りは断然単焦点レンズの方が綺麗です。
そんな街中スナップをやってみたい方は、こちらのカメラがおすすめです。
まとめ
カメラとスマホそれぞれの違いから特徴が見えてきました。
少し本格的に写真や動画を撮ろうと考えた時は、やっぱりカメラの方が軍配はあったと思います。ただ手軽にすぐ撮影をしたいと思った時にはスマホの方が便利です。
これからカメラを使ってみたいと考えているそこのあなた、違いを確認して旅行やお出かけの時に後悔しないようにしましょう。