カメラ基礎講座

カメラ上達講座:カメラのイメージセンサーについて

Saijo

カメラ上達講座第2回です。

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今回は「カメラのイメージセンサーについて」です。
センサーサイズの違いはだいぶ前に別の記事でも少し説明しましたが、今回はセンサーのより奥深いところまでフォーカスしたいと思います。

センサーサイズの種類

カメラが写真を記録するためには、カメラの奥に搭載されたイメージセンサーが重要です。イメージセンサーとは、光を電気信号化する部品です。センサーが捉えた光を電気信号化して、カメラのモニターに表示させます。いわば人間の目と同じです。

イメージセンサーはそれぞれセンサーサイズによって呼び方が変わります。もともとフィルムカメラの時代のフィルムサイズの呼び方がそのまま名残となっているものもあります。フルサイズセンサーが35mmと呼ばれるのもその名残です。

センサーが大きければそれだけ光を集める密度が増えるため、ノイズが少なく綺麗な写真を録ることができます。フルサイズは被写界深度(ボケ感)が浅いので、背景がよくボケます。

フルサイズよりも一回り小さいセンサーにAPS-Cセンサーがあります。APSは「Advanced Photo System」という規格で、その中でも画面比率3:2の画面サイズに使われた名称としてAPS-Cという名前になりました。

APS-Cについて詳しくはこちらの記事をどうぞ

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上で紹介したセンサーサイズは実際にカメラに搭載されているセンサーサイズです。
現在、主流のミラーレスカメラで多く販売されているのはフルサイズセンサーやAPS-C、マイクロフォーサーズ搭載のカメラです。富士フイルムのGFXシリーズは中判センサーを採用しています。

1型センサーは高級コンデジで使われることが多いですが、最近はスマートフォンにも採用された機種もあります。1/2.3型はコンデジや、スマートフォンで多く採用されている小さいセンサーです。

センサーサイズによる影響

センサーサイズ大きい小さい
画素数大きい小さい
画角広い狭い
被写界深度浅い深い
感度高い低い
ノイズ少ない多い
ダイナミックレンジ広い狭い

画素数

センサーサイズが大きいと、イメージセンサーの1画素のあたりのセンサーサイズも大きくなるので、より多くの画素数にすることが可能になります。ソニーのα7R Vは約6100万画素、富士フイルムのGFX100Sは約1億200万画素のイメージセンサーを搭載しています。

画角

センサーサイズによって写真の画角も変わってきます。フルサイズ35mmのセンサーに比べ、APS-Cセンサーの画角は約1.5倍ほど狭くなります。例えば、APS-C機にフルサイズと同じ50mmのレンズをつけて撮影したとすると、焦点距離は約75mm相当となります。

※APS-Cセンサーはメーカーによって微妙にサイズが違います。

被写界深度

被写界深度とは、ピントがほぼ合ったように鮮明に見える範囲のことです。センサーが大きいほどボケの量も大きくなります。ボケの量によって浅い・深いという表現を使いますが、広角レンズだと深く、望遠レンズだと浅くなります。絞り値(F値)が小さいとボケの量が大きく、数値が大きいとボケの量も小さくなります。

感度・ノイズ

センサーが大きいほど暗い場面での感度が高くなります。感度が高いほどノイズの量が少なく、綺麗な画を撮ることが可能です。

ダイナミックレンジ

ダイナミックレンジとは露光可能な光の範囲を指します。イメージセンサーが大きいほど、ダイナミックレンジは広くなり、その分白飛びや黒つぶれを押えた広い階調の画を残すことが可能となります。

CCDとCMOS

イメージセンサーは、大別するとCCDとCMOSという種類に分けられます。携帯電話やカメラのスペック表を見ると「◯◯万画素 裏面照射型CMOSセンサー搭載」と書いてあるのをみたことがあると思います。これらのセンサーは電気信号の変換の違いがあります。

かつてはCCDが市場をけん引していましたが、近年ではCMOSセンサーの技術も上がってきており、いまはCMOSセンサーが大多数のシェアを誇っています。

 CCDCMOS
感度高い低い
画質高画質高画質
消費電力高い低い
高速撮影難しい容易
コスト高い安い

CCDとCMOSを各項目で分類するとこのような違いがあります。
画質の面で言うと、どちがも高画質に撮影することができますが、CCDのほうが高画質と言われています。CCDは全画素に対し1つの増幅器を使用しますが、CMOSの場合は各画素ごとで増幅・処理回路を使用するのでばらつきが生まれ、CCDと比較すると画質が低下する傾向にあります。

裏面照射型CMOSセンサーとは

従来のCMOSセンサー(表面照射型)では、光を取りこむ受光面であるフォトダイオードの上に配線層があり、入射した光を金属が邪魔しないよう穴が空いていますが、一部は金属面に反射してしまい、全ての光がフォトダイオードに到達しにくいというものでした。

そこで、裏面照射型CMOSセンサーが開発されたわけです。配線部とフォトダイオードの位置を逆転させることで、光を効率的に集められるようになり、より高感度の写真を撮れるようになりました。

センサーにゴミが付着すると

カメラのセンサーにホコリやチリなどが付着すると、撮影した写真にも大きく影響してしまいます。この写真は一見綺麗に撮れているようでも、センサーに付着したゴミが映り込み、余計なものが映り込んでしまっています。

特にミラーレスの場合、ボディキャップを開けるとすぐセンサーがありますので、ゴミが付着しやすいですし、ゴミや汚れを落とすには専用のクリーニング処理を施す必要がありますが、自分で傷つけてしまう可能性もあるので、なるべくメーカーへ清掃をお願いしたほうが良いでしょう。

以上、カメラ上達講座第2回でした。

記事を書いたひと
Saijo
Saijo
Saijo
APEXレンタルで機材担当をしているApple信者です。 過去に某ITメディア編集部でWebディレ(アシ)経験あり。かたわらYouTube動画の企画・編集などをしてました。 主にカメラ、パソコン関連の記事を書きます、仕事では機材全般さわっています。
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