一眼レフとミラーレスカメラの違いって?【カメラ上達講座 第一回】
この記事では今からカメラをはじめてみようと思っている方、持ってるけどちょっとよく分かってないという方に向けて、初心者からちょっと毛が生えたくらいのカメラ知識をつけてもらおうというカメラ上達講座です。
第一回目の記事は、「一眼レフとミラーレスの違いについて」です。
一眼レフとミラーレスの違いとは
最近家電量販店で販売される多くのカメラは、ミラーレスカメラというものです。キヤノンやニコン、ソニーといった巨大ブランドの看板が目立ち、各社それぞれ違ったニーズの商品を発売されています。一方一眼レフはなくなったのかというと、まだそうではなくて一部のエントリー向け機種や、ハイアマチュア向けのモデル機種はまだ販売され続けています。販売面積はミラーレスによって縮小されつつあるものの、まだ端の方でかろうじて展示されている機種があったりします。
さて、一眼レフはミラーレスと何が違うのかという点についてですが、大きく区別すつのであればミラーがあるか、ないかの違いです。
ミラーってなんだ?
一眼レフのミラーは直訳の通り鏡のことです。ボディの中に鏡が入っているので、レンズから入った光が反射し、ファインダーを通じて撮像する映像を目でみることができます。
一眼レフの仕組み
一眼レフの仕組みを簡単に説明します。一眼レフは、レンズから入った光(被写体)がレンズを通じて一度ミラーに反射します。ミラーに反射した光はフォーカシングスクリーンを通って、ペンタプリズム(もしくはペンタダハミラー)の中を屈折しながらファインダーに届きます。
なので一眼レフのファインダーから見る映像は、ほぼ目で見ている形と近い状態でみることができ、ミラーレスのような電子ビューファインダーとは違って遅延もなく、リアルな像をみながら写真を撮ることができます。
シャッターを切ると、ミラーが上に上がって奥にあるシャッター幕が開きます。レンズから入った光がシャッター幕の奥にあるセンサーに直進することで写真を記録することができます。設定でシャッタースピードを変えるというのは、このシャッター幕が開く時間を決めるということに繋がります。詳しくは後日記事にするシャッタースピードについての記事で解説します。
一方、ミラーレスカメラはミラー構造がない分、ボディも薄く小型化することができます。レンズから入った光は直接センサーまっすぐ進みます。ミラーレスカメラの多くは電子ビューファインダーになっているので、レンズから入った画はデジタル化されたモニター映像を見ている状態です。なので、シャッタースピードやISO値など、設定を変えればファインダーにも反映されます。
一眼レフの仕組みは動画でも解説しているので、ご確認ください。
フォーカシングスクリーンとは?
一眼レフのミラーの上にあるフォーカシングスクリーンとは、レンズに入った光を見る上で大変重要なものになります。このフォーカシングスクリーンがあることで、ファインダーを覗きながら、ピントがあっているかどうかを判断することができます。
フォーカシングスクリーンがないと、レンズから入った映像は直接ミラーからプリズムを屈折してくるので、ファインダーから見える映像はレンズのイメージサークルのまま円形になります。フォーカスが合った面以外はボケて見えるのも、このフォーカシングスクリーンがあるおかげです。
フランジバックについて
一眼レフとミラーレスの大きな違いのひとつとしてフランジバックの長さがあります。
一眼レフにはミラー構造があるので、ボディにしてもレンズにしても筐体を大きく作らないとなりません。ミラー構造がある分、奥にあるセンサーまでの距離を考慮してレンズ設計しなくてはならないため、筐体が大きくなりがちです。このレンズ結合部からセンサーまでの距離のことを『フランジバック』といいます。
一方ミラーレスカメラはフランジバックの距離を短く設計できるため、ボディも薄くでき、レンズ設計の幅も広がることで従来のレンズよりも軽く、小さく、画質も向上されたレンズが登場しています。
一眼レフ、ミラーレスそれぞれのメリット・デメリット
一眼レフとミラーレスの違いがだいたいわかったところで、最後にそれぞれのメリット・デメリットを考えてみました。
一眼レフ | ミラーレス |
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メリット | |
1.光学ファインダーはリアルな像を見ることができる ミラーに写った像をそのまま見ることができる光学ファインダーは一眼レフ最大のメリット。 2.自分で考えて撮る楽しさがある ファインダーを覗きながら、この明るさならISOはこれくらいで十分かな、露出補正を少し下げようかななど、考えて撮る楽しさがある。 3.バッテリー持ちがいい ミラーレスとは違い、電子的に動作する部分が少ないため結果的に電池持ちが良くなる。 |
1.軽くて持ち運びしやすい ミラーレスはメーカーによって様々なサイズのカメラがあるため、気軽に持ち歩きたいときのミドルスペックカメラ、ガチでいい写真を撮るためのハイスペックカメラなど、用途に合わせた使い方ができます。 2.背面液晶を見ながら撮影できる、失敗が少ない ISOや露出などの設定した表現がそのまま画面に現れるため、設定ミスをする可能性が低くなりました。 3.オートフォーカスが速い、追従性も高い 最新のカメラほど、画像処理エンジンの進化に伴ってAF追従性能が高くなってきました。人物だけでなく、電車や飛行機、車など物体と空間認識能力が高くなっています。 4.動画性能も良い 以前に比べ、放熱性能が向上したことで動画記録の制限時間がないカメラが増えてきました。画質も高画質化したことで、より高速に書き込み可能なCFexpressメモリーカードも登場、動画性能だけにに特化したミラーレスカメラもあります。 5.アダプターを使えばオールドレンズなども取り付けられる ミラーレスはフランジバックが短いため、レンズに対応したマウントアダプターをつけることで古いレンズも楽しむことができます。 |
デメリット | |
1.強い光や直射日光をそのまま覗いてはいけない 光学ファインダーで直射日光を覗くと失明する恐れがあります。絶対に直接見ないようにしましょう。 2.ミラーショックによる手ブレ 長時間露光など、シャッター速度を遅くして撮影する場合、シャッターを押したときのミラーショックの振動がもろに影響しやすいです。ボディ内手ブレ補正を搭載したカメラが少ないため、手ブレは結構シビアに考えなければいけません。 3.そもそも重い、レンズも重い やっぱり一眼レフは重さがネックです。ミラーレスの軽さに慣れると、持ち歩くのも億劫になってしまいます。 4.ライブビュー機能を使うとAFも遅くなる 一眼レフでAFを合わせる場合、光学ファインダーとライブビューでは使用するAFの種類は異なります。一眼レフは位相差AF方式を採用していますが、ライブビュー時はミラーが上がってセンサーが直接判断するコントラストAF方式に変わります。一眼レフはコントラストAF方式に最適化されているわけではないので、AFが遅くなってしまいます。 5.動画撮影にはあまり向かない 一眼レフは基本的にはスチール写真向けに作られているので、動画撮影に重きを置かれていません。動画撮影する場合30分の時間制限があります。 6.ファインダーのみやすさはボディやレンズによって変わる 一眼レフのファインダーのみやすさは、ボディ内にあるペンタプリズムの精巧さや、レンズの性質によっても変わってきます。APS-Cのカメラよりもフルサイズセンサーのカメラのほうがファインダー倍率が大きく設計しやすいです。 |
1.電池の消耗が早い モニターやファインダーも電子的に動作するため、電池の消耗力が早いです。一日中撮影をする場合は予備のバッテリーが必要になります。 2.センサーにほこりがつきやすい フロントキャップを外すとすぐにセンサーがあるため、チリやホコリがつきやすく、撮影した写真に影響がでてしまいます。こまめなクリーニングと、映り込みがないかはチェックが必要です。 3.電池の消耗が早い モニターやファインダーも電子的に動作するため、電池の消耗力が早いです。一日中撮影をする場合は予備のバッテリーが必要になります。 4.ファインダーを覗く時に遅延が少しある ミラーレスのファインダーは、覗いてから映るまでにワンテンポ遅れる場合があります。レンズに入った像をセンサー内で処理し、映像出力して反映させているためです。一眼レフで光学ファインダーの良さが分かっていると、電子ビューファインダーには慣れないという人もいるでしょう。 |
さて、これで第一回目のカメラ上達講座を終わりたいと思います。次回は、『センサーサイズの違い』について触れたいと思います。次の更新をお待ち下さい。